羽生の杜について
理事長 挨拶
故人となった小田原紀雄がこの羽生で居を構えてから40年以上になります。
彼はここを拠点に北は北海道から南は沖縄まで全国を巡って、この社会が抱えるさまざまな矛盾に正面から向き合いそれに抗いながら戦っている人々とその闘いを共にする生き方を貫きました。
弱者に寄り添いながら、その射程は差別されている人、生きづらさを強いられた人、不当にも政治的な弾圧を受けている人、弱っている子どもたちなどそのかかわりの範囲は限りなく広く、また深いものでした。晩年に近い5年ほど前に生涯をかけてかかわりこだわり続けた課題をここ羽生で実現しようと彼の志に賛同する多くの者たちも協力して1500坪の土地を購入しました。その後も相変わらず肉体的に相当な負荷を抱えながら全国を飛び回って活動を続けていた小田原紀雄はその思いを成し遂げることが叶わないまま2014年8月23日に帰らぬ人となりました。無念としかいいようがありません。
残された私どもはその遺志をつなぐべくここにNPO法人「羽生の杜」を2014年10月に設立いたしました。一つひとつの現実の問題は、弱っている人々、自己責任などというたわごとで特に高齢者や子供たちにしわ寄せされております。このNPOはそのような課題を担っていきたいと思っております。
地域にこだわり羽生から発信して全国へこの試みを広げていきたいと決意し、その第一歩を2015年10月から開始しました。この活動は途中でやめるわけにはいきません。限られた人材と極めて脆弱な財政状態での旅たちです。限りないエールをこれからもよろしくお願いいたします。
2017年4月1日
特定非営利活動法人 羽生の杜
理事長 兼 事務局長 田村 信征